「逆に、会いに来てくれなかったら、莉桜菜ちゃんはそうとうショックを受けると思うね・・・友だちなんだろう?会いに行けよ。きっと彼女待ってるよ」
「・・・・」
「ほら、着替えて行って来いって」


光平は、立ち上げると俺の肩にポンポンと手を置いた。


「じゃあ、俺帰るわーしばらく歌の活動出来なさそうだなー出来るようになったら連絡くれよな」


そういって光平は帰って行った。
1人ポツンと部屋に残される。
さっきの光平の言葉を何度も頭の中で繰り返した。


本当に行って良いのだろうか。
会いに行って・・・でも、光平の言ったことも一理あった。
病気だからと言って避けるつもりは毛頭なくても、俺の行動がそんな風にとられる可能性があることも考えられる。
知らぬうちに彼女を傷つけるかもしれない。
それは、いやだった。


「もし・・・来るなって言われたら、行かないようにしよう」


俺は、クローゼットから服を適当に取り出して着替えた。
必要な物だけ適当な鞄に入れて家を出る。
病院は歩いてもいける距離だったので良かった。
鍵を閉めたことを確認してから俺は病院に向かったのだった。


途中で、コンビニがあったので、水とゼリーを買った。
どんなものをもって行ったらいいのか分からないが、これなら大丈夫かな、と思ったものだ。
鞄に入れて、また歩き出す。
行って何を話そうか。
どんな表情で彼女の前に立ったらいいのか。
全く分からない。