お茶を一口のむ。
冷たい感覚が喉を通って体の中に流れていくのが分かる。
「ふぅ」
今日一日何も口にしていないので、お茶が本当においしい。
「あーうまいっー、よし、なにがあったんだよ?」
光平は、まっすぐ俺を見てきた。
俺は、目を泳がせて、そして少しずつ言葉を紡いだ。
「莉桜菜が、最近調子が悪くて」
「莉桜菜ちゃんが?」
「あぁ。それで見舞いに言ったんだ・・・そしたら・・・」
一度言葉を切る。
グッとまた感情がこみ上げてきた。
「真司?」
「小さい頃に、白血病になって・・・移植して・・・でも、また、再発、したらしい」
「え・・・」
「しかも、他にもガンがあって・・・もう、長くないって・・・」
最後は嗚咽混じりだった。
涙がまたこみ上げる。
「なぁ、光平・・・俺は、どうしたらいいんだ・・・?」
どうしたらいい?
全く分からない
誰か、教えてくれ。
「莉桜菜ちゃんが・・・」
光平も聞いてショックを受けているみたいだ。
そうだよな。簡単な話じゃないし、ショックを植えない方がおかしいと思うだろう。
昨日から、莉桜菜に何も連絡出来ていない。
なんて言葉を送ればいいのか全く分からなかった。
「・・・真司はどうしたい?」
「え?」
光平が問いかけてくる。
どうしたい?俺は?
それが分からないから聞いているのに。