ハッと顔を上げたら朝になっていた。


泣いてそのまま寝てしまったみたいだ。
シーツは少し濡れている。
目の辺りが熱い。もしかしたら腫れているかもしれない。
こんなに泣いたのは何時ぶりだろうか。


俺はベットから抜け出して部屋のカーテンを開けた。
俺の気持ちとは裏腹に、今日は晴天だった。
莉桜菜は、この天気を見てどう思っているのだろうか。
そんなことを思ったって仕方がないのにな。
俺はため息をつくと、顔を洗うために洗面所に降りていった。
鏡で自分の顔を見ると、やはり目は腫れていて泣きはらしたことがバレバレだ。
冷たい水で何回も顔を洗うと、少しマシになった。


1回部屋に戻って身支度をする。
そういえば、昨日風呂入っていなかったな。
思い出して俺は、シャワーを浴びて体をスッキリとさせた。


新しいブラウスを着て、また制服に身を包む。
荷物を持ってリビングに行けば、なにか言いたげに俺を見ている母さんの姿があった。


「おはよう」
「・・・おはよう」
「ご飯は?」
「・・・いらない」


正直、お腹は空いていなかった。
何も食べたくないし、見たくなかった。


母さんは、台所から俺の前までやってくると、手を伸ばしてきて俺の額に手を置く。
ひんやりとした母さんの手のひらから温もりが徐々に伝わってきた。