「言わないと、ダメかな?」
困ったように、話したくないと言ってきたけれど、俺は大きく頷いた。
俺は、聞きたかった。
本当のことを言わないと俺が納得しないと分かったからか、莉桜菜は観念して口を開いた。
「ーーーー私ね、小さい頃に病気に・・・ガンになったの」
「・・・・ガ、ン?」
「そう、白血病」
莉桜菜の言葉がまるで鈍器のように俺に衝撃を与えた。
ガン、白血病。
まさか、彼女の口からそんな言葉が出てくるとは思っていなかった。
「でもね、それは小さい頃に移植して治っていて」
それを聞いて、安心した。
でも、次の莉桜菜の言葉はさらなる衝撃を俺に与えた。
「治っていたと・・・思ったんだけど、再発しちゃったの」
「え、」
「それにね、違う場所にもガンがあって・・・」
莉桜菜は、自分の体に手を当てる。
ガン。
莉桜菜の体はガンに冒されているというのか?
元気だった、莉桜菜が?
「でも、治るんだよな・・・?」
再発、ガン。
この二つの単語が俺の頭の中をぐるぐると回っている。
病気のことはよく分からない。
でも、再発だったらまた同じ移植をしたら治るんじゃないだろうか?
他のところのガンも、手術すればまたーーー。


