それは一体どういうことだ?
俺は、今幻聴でも聞いてしまったのだろうか?
病気と、莉桜菜ははっきりと言った。


俺の体は、自然に病室の中に入っていた。
そして、口も開いていた。


「・・・病気ってどういうことだ?」


「!!?真司君?」


病室に入ってきた俺の姿を見て、莉桜菜は目を見開いた。
まさか、俺がいるなんて思ってもいなかっただろう。
間抜けな顔にも見えるが、今はそれどころではなかった。


俺は莉桜菜のベットの側まで行く。


「今の話、どういうこと?」
「えっと・・・」


莉桜菜は視線を泳がせる。
何か違う話に変えようと話題を探している様子だ。
はぐらかせてたまるか。


「莉桜菜、正直に話しなさい」
「お母さん・・・」
「きっと・・・大切な事だと思うわ」


莉桜菜のお母さんは、立ち上がると席を外すといって病室から出て行った。
俺と莉桜菜、2人だけの空間になる。


俺は、もう一度莉桜菜を見下ろしながら口を開いた。


「なぁ、どういうことだよ?」


莉桜菜は、視線をまた泳がせて、やがて諦めたようにため息をついてそしていつものように笑みを浮かべた。


「とりあえず、座って」


促されて俺は、さっき莉桜菜のお母さんが座っていた椅子に座った。
そして、まっすぐ莉桜菜を見る。
少し見ない間に痩せたような気がする。顔色も良くない。


「検査入院って言ってたよな?」
「うん、言っていたね。嘘じゃないよ?検査はちゃんとしたし」
「じゃあ、病気ってなんだよ?」


聞きたくない、でも聞かないといけないと思った。