キミに伝えたい言葉がある




莉桜菜のおかげで、コミュニケーションが苦手な俺は少しずつ人と関わる事が出来るようになってきた。
少しずつだけど、クラスメイトと話をするようにもなったし、友だち、と呼べるような関係にもなれた奴も出来た。
じゃあ、莉桜菜は俺の中でどんな存在なんだろう?
莉桜菜がいないと寂しいと思う。
莉桜菜がいないとどこにいるんだろうかと探してしまいそうになる。
彼女が側にいることが当たり前のようになってきて・・・居心地が良くなってきていた。


「莉桜菜さんは、俺にとって大切な存在です」


友だち、と名前をつけるにはちょっと違う。
莉桜菜は俺にとって友だち以上の存在だ。


「だから・・・知りたいんです」


莉桜菜のことが、彼女が何かに苦しんでいるのなら助けになりたいと思う。
何も知らないままでいたくはない。
知ることが出来る機会があるのならそれを逃したくはなかった。


ありのままの気持ちを莉桜菜のお母さんに告げると、彼女は目元を少し潤ませた。


「そう・・・莉桜菜は、素敵な友だちを持ったのね・・・吉田君。今から莉桜菜のところに行こうと思っていたのだけど、一緒に来る?」
「いいんですか?」
「えぇ・・・あなたがいいのなら」


その言葉には、何故かとても重みを感じられた。
でも、俺は莉桜菜に会って、本当のことが知りたかった。