キミに伝えたい言葉がある




莉桜菜のお母さんは、手紙を受け取り、俺に「じゃあ、」と背中を向けた。
このまま、ここで何も聞かなかったら、莉桜菜のことが何も分からなくなる。
直感でそう思った俺は、「あの!」と呼び止めた。


「?」
「あの、莉桜菜さんは・・・本当に検査入院なんですか?」
「・・・どうしてそう思うの?」
「見舞いに行くって言っても、すぐ帰ってくるから来ないでと言われたし・・・今の言葉も、なんだかそれだけじゃないような気がして・・・」


莉桜菜のお母さんは、俺に背中を向けていたけど、踵を返して俺と向き合ってくれた。
本当に莉桜菜の言うとおり検査入院だけだったらお母さんも笑ってそう言ってくれるはずだ。
しかし、俺の思いとは違って、莉桜菜のお母さんは眉を下げた。


「・・・知って、あなたはどうするの?」
「え?」
「あなたにとって莉桜菜はどんな存在なのかしら?クラスメイト?それとも友だち?ただの友だちなら、莉桜菜の言ったことを信じて待っていてほしいわ」


俺にとって莉桜菜という存在?
そんなこと真面目に考えた事なんてなかった。
莉桜菜は、転校生で、なぜか俺に話し掛けてきて、一緒に登下校して・・・俺が河原でギター弾いて唄っているのを時々聞きに来たりして・・・転校生という存在から俺にとって友だちという位置づけにはなった。でも、それだけだろうか?