キミに伝えたい言葉がある




完全に彼女がいない訳ではなく、毎日メールでのやりとりは続いている。
それもあるからそんなに辛くはなかった。


莉桜菜が休んで4日目。
俺は、莉桜菜の友だちの絢にまた呼び出されてしまった。
彼女に連れられて屋上に行く。
二人しかいない空間に、少し冷たい風が頬を撫でる。


「ねぇ、あんた何か知ってるんじゃないの」


開口一番絢が言ったことはやはりというか莉桜菜のことだった。
俺は、正直に言ってこの女の子とは苦手というか嫌いだった。
表面だけ友だち面をしているとしか思えなかったからだ。


「何のことだよ?」
「言わなくても分かるでしょ!莉桜菜の事よ。なんでこんなに休んでいるか、知っているでしょ」
「知らねぇよ。本人に聞いてみたらいいだろ」
「聞いても風邪、としか言わないから聞いているんじゃない」


俺は、その言葉に眉を寄せた。
莉桜菜が風邪と言っているんだから、それを信じればそれでいいじゃないか。
どうしてこの女は疑うんだ?


「風邪なら風邪なんだろ」
「じゃあなんで学校来ないのよ」
「は?」
「風邪でも学校には来れるでしょ」
「熱が出ているのかもしれないだろ」
「知らないわよ。いいから、あんたなんか知っているでしょ、教えなさい」


プツンと頭のどこかで何かが切れた。
莉桜菜、お前友だち選び下手だな。俺が言えた義理ではないけど。


「なんで、お前そんなこと聞くわけ?そんなに莉桜菜に学校に来てほしいわけ?」
「当たり前じゃない、莉桜菜はあたしの友だちなんだから」
「意味わかんね、体調悪いなら休むのは当たり前だろ」
「そんなの一日で治してくるべきなのよ。あの子はあたしの隣にいなきゃ」