キミに伝えたい言葉がある




「メール、していい?」
「もちろん」
「ちゃんと返してね?」
「返す」
「また、ね?」
「また、」


別れを惜しんで、でもそれぞれの帰り道を行く。
俺は、莉桜菜の姿が見えなくなるまでその背中を見送った。



『また』


それが、早く実現することを祈りながら。








次の日からは、1人で学校に行っていつもの毎日を過ごした。
莉桜菜はいない。
なんで休みかは俺とたぶん教師しか知らないだろう。
一日、二日・・・と莉桜菜が欠席ということが朝のHRで伝えられる。
その度にやっぱり今日も休みなのか、と落胆する自分がいた。
分かっているはずなのにどこか期待してしまう自分がいたのだ。
検査が早く終わって学校に来るんじゃないかって。
でも、それはないことも頭の片隅では分かっていた。
憂鬱になっても仕方がない。
今は、前と違って全やクラスの男子とは少しずつではあるがコミュニケーションもとれるようになって完全に1人でいるということは少なくなってきていた。
自分の中でいろんな事が変わってきているということに俺自身驚いている。
本当、全の言うとおりに自分で壁を作っていただけなのかもしれない。
気づかぬうちにその壁を自分で破っていっているんだなと思っている。
その力をくれたのは、きっと、否、絶対莉桜菜の存在があったからこそだと思う。
彼女がいたから、今の自分がいるんだ。