「それを言うなら俺の方こそ・・・彼女が転校してきてくれて感謝しています」
「え?」
「人と関わる事が苦手な俺が、少しずつではありますが関われるようになってきているのは、彼女のおかげなんです」
「・・・そうか」
「はい・・・って、何言ってるんですかね。すみません、失礼します」


俺は、2人に頭を下げてから俺は背中を向けてその場から離れた。
顔が熱い。
俺、一体何言っているんだか。
自分が言った言葉に自分で照れている事が、さらに恥ずかしく思えて、体の中の血の流れが一層早くなっていった。
俺も、組体操の準備があったので、無理矢理さっきの事は頭の隅に追いやって目の前のことに専念することになった。


それから、体育祭は進んでいって、組体操も無事に終わり、その後の応援団も莉桜菜はしっかりと頑張ってやりきっていた。
長めのはちまきに替えて、体全身を使って応援していたその姿は、とてもかっこよかった。
目が離せなくて、最後まで見入ってしまった。




その後、莉桜菜は両親に連れられて先に家に帰ることになった。
いつ帰ったかは分からなかったが、後ほど担任から聞いた。
やっぱり本調子じゃなかったし、大事とって早めに帰ることができて良かったと俺は思った。
体育祭も無事に終わり一つのイベントが過ぎ、忙しい毎日が少しゆっくりになると思うと安心した。



体育祭が終わって、振替休日も終わった次の日。



莉桜菜は、学校を休んだ。