『今日という日は、紅組白組どちらも皆団結し、正々堂々戦うことをここに誓う!』
「おぉー!!」
校庭に生徒たちの声が響く。
パンパン!!とピストルの音が響くと共に、体育祭らしいBGMが流れ始め、生徒会長は引っ込む。
そしてアナウンスが鳴って、100M走選手が呼ばれた。
さっそく俺の出番が来てしまった。
「真司、がんばれよ」
「あぁ」
全に、励まされ俺は100M走に出る選手が並んでいる場所に行って並ぶ。
隣は、同じクラスの男子。
「お互いがんばろうな」
「あ、あぁ」
不意に言われて、俺はどもってしまった。
アナウンスと共に、競技が始まる。
イヤだけど、始まってしまえば終わりが来る。
その終わりへの第一歩だ。
100M走は、長い距離ではないので、あっという間に終わった。
俺の他に一緒に走ったのは5名。
意外に他の連中が遅めで、俺は1位でゴールすることが出来た。
ひとまず、安心だった。
俺の出番が一つ終わった。
俺は、白組で、本部にある掲示板を見てみると、白組に1点点数が入った。
貢献できたことに心から安心する。
競技が終わって自分のクラスがいる場所に帰ると、普段良く話さないクラスメイトから「お疲れ様」という言葉と、すごかったねと賞賛をもらえた。
「真司君」
名前を呼ばれてそっちを見ると、莉桜菜が椅子に座ったまま俺を見ていた。


