キミに伝えたい言葉がある




体育祭当日。
天候に恵まれ、快晴だった。
校庭はテントが立てられ、体育祭一色に染まっている。
生徒は皆、体操服に身を包み、赤と白と分れているので、分かるようにはちまきをする。


「あーとうとうやってきたぜ・・・」
「やる気だな」
「もちろん!勝つぞ!!・・・ってお前はテンション下がってんな」
「当たり前だろ・・・」


やる気に溢れている全に比べて、俺は体育祭がやりたくなくて仕方がなかった。
必死にしなきゃいけないのは100Mと組体操。組体操は特に1人でする競技とかではないから一緒に協力しないと怪我に繋がってしまうから気が抜けない。


「始まってしまえば、あっという間だって!!」


善の励ましの声の後、「生徒のみなさんは、入場門に・・・」というアナウンスが流れた。
確かに始まれば終わりは必ず来る。
それでも、嫌なものはイヤなんだ。
俺は、若干肩を落としながら入場門に言って自分のクラスの列に並ぶ。
3学年6クラスが集まると中々大規模だ。
1クラスの人数はそんなに多くはないが、やはりそれなりのマンモス校になるのかな、と思った。
本部席の前に、生徒が1人指揮台の上に立つ。
生徒会長だ。
3年生で、頭が良く中々評判のいい人だと風の噂で聞いたことがあった。


『生徒諸君!準備はいいか!!』


生徒会長の低い声がマイク越しに届く。
会長の声に、生徒全員が反応した。