「俺は、2年からお前と一緒だけどさ、お前全く周りと話そうとしないし、関わるな触れるなオーラ出しているしさ」
「・・・俺は、人と、関わるの苦手だから」
コミュニケーション能力が薄いから周りとどう関わって良いのか分からない。
正直、光平とどうやって仲良くなったのかすら覚えていないんだ。
こんなに仲良くしていることも奇跡としか言い様がない。
「そうやって苦手って決めつけて壁作っているのってさ、逆に自分の首締めているって気づかないか?」
「え?」
「確かに、俺だってこんなんだけどさ、最初は友だち出来るか?とかいじめられねぇかな?とかびくびくしながら学校に入ったもんだぜ?でもよ、自分から相手にアタックしなかったら友だちなんて出来ないし、心を通わせる、なんて出来ないから」
「・・・そうだけど」
全の言葉がグサグサと俺の胸に突き刺さってくる。
「お前は、それが苦手だと決めつけてしまっているから仕方ないのかもしれないけどさ、でも、意外に簡単なことなんだよ」
「簡単・・・?」
「そ、ちょっと自分を曝け出してみたら伝わるもんだよ」
ニカッと全は笑う。
「最近のお前だったら、いいんじゃね?ほら、俺だってお前攻略出来そうだし」
「攻略って・・・」
「ラスボス並に強敵だからな。でも、お前次第で最弱の雑魚キャラにもなれるんだから、頑張ってみろよ。俺は、お前の味方だぞー」
ポンポンっと肩に手を置かれる。
そこから伝わる手の温もりは一瞬だったけれど、温かかった。


