キミに伝えたい言葉がある




大したことがないことを祈っていると、ガラッと保健室のドアが開いて、息を切らせた莉桜菜の友人、絢が入ってきた。
保健室をぐるりと見渡した後、俺を睨みながら口を開く。


「莉桜菜は!?」
「・・・病院行った」
「!?なんで!」


俺のところまで走ってきて堰ききったように捲し立てる。
俺は、若干仰け反りながら説明する。


「保健教師が、救急車呼んだから・・・」
「どこの!?」
「それは、知らない」
「っ役に立たないわね!」


ドンッと胸を叩かれた。
絢は、俺から離れるとそのまま踵を返して保健室を出ようとした。
入り口のところまでいって1回止まり、俺の方を見た。
何事かと俺はそのまま固まっていると、また睨まれた。


「あたしは、あんたのこと認めてなんかいないからね!!」
「・・・は?」


言いたいことを言った彼女は、そのまま保健室から出て行ってしまった。
まるで嵐のようだった。


「よく分からん」


やれやれと、俺もいつまでもここにいるわけにはいかないので、ベットから立ち上がって授業に戻ることにした。
外に戻ろうとしたら、途中でクラスメイトに遭遇してもう授業は終わったことが分かったので、更衣室の方に戻ることにした。


更衣室に行ったら、クラスメイトが着替えをしていて、その中にいた全が俺を見つけると駆け寄ってきた。