見ると、誰かが倒れたのか、一カ所に女子が集まっている。
「莉桜菜!大丈夫!?」
誰かが莉桜菜の名前を呼んでいる。
「先生!!莉桜菜が倒れた!!」
「大丈夫!?」
教師も慌てて駆け寄っている。
「おい、大丈夫かよ・・・おい!真司!?」
全が止める声が聞こえていたが、体が勝手に動いていた。
外靴のまま体育館の中に飛び込んでいた。
女子たちをかき分け、莉桜菜の側に膝をつく。
「え、ちょ、」
驚く周りを無視して俺は、莉桜菜の膝裏と背中に手を入れて抱え上げる。
なるべく負担にならないようにしながらも急いで保健室に連れて行く。
ガシャンッと手が塞がっているので足でドアを開けると、中にいた保健教師はびっくりして飛び上がった。
「な、なに?!」
「倒れた。診て」
「え、こっちに!」
保健教師は、開いているベットに誘導する。
そっと寝かせると、教師は体を触って見始める。
「名前は?」
「塩田 莉桜菜。今体育で応援団の練習してた」
「塩田さんね・・・」
教師は、体温を測るために体温計を莉桜菜の脇に挟んだ。
すぐに検温されて、結果を見て眉を寄せた。
「うーん、少し高いわね・・・」
体温計を片付けると、教師はすぐに内線でどこかに連絡をした。
「教頭先生ですか?塩田 莉桜菜さんが倒れて保健室に運ばれてきました。意識はまだありません。・・・はい、至急お願いします」
受話器を置いて、教師は俺を見た。


