その瞳に写る頃


目を覚ましたとき、携帯のアラームは鳴っていなかった。

携帯のロック画面には九時半過ぎを表す数字が浮かんだ。

あの直後、高本くんを呼び止めて確認したところ、今日は昼頃に高本家へ着けばいいということになった。


わたしは十一時から五分おきに設定してある携帯のアラームをすべて解除した。

昨夜はいつもより早く眠りに就けた。

そのおかげか、予定よりも一時間半近く早い目覚めは悪いものではなかった。


布団に別れを告げ、消臭スプレーを吹き掛けてから着替えを始めた。

昨日もそうだったが、今日も高本くんに描かれる予定はない。

なるべく洒落たものを――などと考えずに目に入ったものを着る。

今日は一つ一つ色の違う千鳥格子柄が描かれた白いティーシャツだ。

下は無難なジーンズを合わせておく。

容姿の美しい人が着用すればそれなりに洒落たものに見えるのだろうが、スタイルも顔も中の下かそれ未満であるわたしが着用すると見事なまでに残念な仕上がりになった。

これでは小学生時代の友人が服を選ぶセンスがないと言うのも納得だ。