九月三日。日曜日であった前日になんとか終えた宿題を提出した日だ。

夏休み終了の足音が聞こえていたあの日、携帯の中のショウゾウはおとなしくわたしの罠に掛かったかに思えた。

実際に彼女はわたしに従い、自身の書いた答えをすべてメールに送ってきた。

しかし、そこで彼女はわたしにとって想定外の文章を付け加えた。

まさか九月三日、二年二組で提出される宿題のうち二つがまったく同じ答えを書いてるなんてことはないよね、といったものだった。

隣でわたしとともにショウゾウの送ってくる答えを書いていた高本くんにはばれているじゃないかと言われた。

わたしはそれを認めなかった。彼の言葉を否定した。

彼女――ショウゾウは二つの宿題が同じ答えであることなどないだろうなとの文を送ってきたのであり、三つの宿題が同じ答えを――との文を送ってきたわけではなかった。

そう反論したが、事実ショウゾウ本人にわたしが彼女の答えを書き写していることが知られている以上、計画を続行するわけにはいかなかった。

夏休み明けの九月三日に教室にて、ショウゾウが夏休み中のメールでは一切引き出そうとしなかったこちらの回答を見せろと言い出す可能性があったからだ。

そこでわたしと高本くんはショウゾウの答えを基に回答欄を埋めた。

彼女の回答からそれぞれ三センチメートルくらいずつずれた答えを書いたのだ。

それに予想以上の時間が掛かり、結局宿題を終えるのに残りの夏休みすべてを使い果たした。