君も終わったのかい、ちょうどわたしも終わったところだ、さて、ここで答え合わせといかないか――。
わたしが送った文字への返信は早かった。
「返信きた。あなたにしては随分早いわね、いいわよ、受けて立つわ、とのこと」
「でも待って。答え合わせと言っても、俺たちほとんど手を付けてないよ?」
「だから答え合わせをするんだよ」
高本くんは顔には不安げな表情、頭の上には疑問符を浮かべた。
「答え合わせと称して向こうから答えを聞き出す。それが正しいものか間違っているものかはここではどうでもいい。今必要なのは、わたしたちの宿題が終わることだから」
「えっ、それって……」
「ああそうだよ、新しい手口による学業不正だ」
「……美澄さん、そんなことを思いつく頭の持ち主なら勉強頑張ればいいのに」
「それができないからこうして悪知恵を働かせている。さあ我が女友達よ、答え合わせといこうじゃないか」
わたしは口角が上がるのを抑えられないまま、まずは今広げている数学の宿題から答えを求めた。



