嫌々始めた勉強に飽きた頃、それを察したように携帯がメールを受信したことを知らせた。

「ちょっと失礼」

携帯が受信したのはショウゾウからのメールだった。

本文に目を通すと、彼女の腹立たしい文章に笑いがこみ上げた。

「メール?」

高本くんが言った。

「友達から」

答えた直後、風鈴が柔らかな音を鳴らした。

「やあ暇人さん、南の島を満喫してきた翔子様ですよん、祖国がラッシュに浸る前に帰ってきましたわよん、ただいま宿題をやり終えたことを報告する――ですって」

文字だけでも充分腹が立つが、毎度文章の最後に舌を出した絵文字をつけてくることへさらに腹が立つ。

「宿題、終わった人いるんだね」

「まさかわたしたちが南の島で遊びまくってた彼女より遅いとはね……」

ため息をついてすぐ、いい案が頭をよぎった。

「いいこと思いついた」と言葉に出し、返信フォームを開いて文を打った。

送信が完了しましたと表示されたのを確認すると、自然と笑みがこぼれた。