梅雨明けが発表されてから数日が経った八月の二日目、わたしは持っている中で最も洒落た服に身を包んだ。

薄藤程度の淡い紫色のティーシャツに、デニムの短パンといったものだ。

短パンのループに通したベルトがちょうど隠れる程度の丈であるティーシャツには、以前左の鎖骨の下辺りに小さな青りんごのアップリケを付けた。

結果としてはだいぶ軽い印象になってしまったティーシャツだが、わたしが持っている中ではこれが一番普通であり、わたしに似合う服である。

他の服となると、白地に一つ一つ色の違う千鳥格子柄のものや、

芝生に咲くたんぽぽの写真がプリントされた白いティーシャツ、

白地に向きや大きさがばらばらな迷彩柄のハートが描かれたものといった具合になる。

小学生時代、友人に言われたとおり、わたしは自身に似合う服を選ぶセンスがないのだ。


雨量の多かった今年の梅雨が明けるのは、平年よりおよそ一週間遅かった。

その影響か、近頃野菜が値上がりしている。

このままでは毎朝のスムージーが飲めなくなってしまうかもしれないと母は不安がっていた。