その瞳に写る頃


「えっ、どんな子なの?」

母は言った。

「不思議な人。ずっと一人でいるの。教室でもずっとノートと向き合ってて。多分絵を描いてるのかなあ……って今思った」

「ふうん」

「なんでも、一人が好きなんですって。誰に縛られるわけでもなく、気楽なんだと」

「へええ。大人な感覚の持ち主ね」

さくらとはえらい違いだわ、と母は笑う。

なんだとお主娘に向かって失敬だな、と返し、わたしは唐揚げを一つ頬張った。

母はふふふと笑い、白米を口に入れた。