結果、作中のわたしたちはハリネズミとコアラになった。
高本くんがハリネズミ、わたしがコアラだ。
高本くんの描いた動物のわたしたちには、いつもの彼の絵よりもやわらかな印象を受けたが、それが彼らしさを消すことはなかった。
「題名……なんか冴えないね」
自由帳の一ページ目を見て、高本くんは呟いた。
「『はりねずみくんとこあらくん』――」
わたしは小さく苦笑した。
「確かにね。なんかいい案ある?」
高本くんは小さく唸ったあと、「お友達」と呟いた。
「お友達?」
「はりねずみくんのお友達って絵本ぽくない? お友達も平仮名にしてさ」
「おお、めっちゃ絵本」
それにしようと言いながら、わたしはページの「はりねずみくんとこあらくん」を消した。
「はりねずみくんのおともだち」と書き直したあと、最後に句点を付け加えた。
「句点も付けるの?」と言う高本くんへ、「おまじないだよ」と笑顔で返す。



