その瞳に写る頃


席の主が登校してきたところで、高本くんとは「また昼休みに」と別れた。

しかしおばちゃん特製デザートの入手に失敗したタケモリを説教しているうちに昼休みは終わってしまった。


「そういえば、俺たちの話を書くんだっけ?」

放課後、いつもの和室で高本くんは言った。

「まあ……いわゆるノンフィクションというやつ?」

「ほほう……」

そうきたか、とでも言うように、彼はふふっと笑った。

「もちろん、お父さんにはノンフィクションだなんて言わない。だから読者にもそれは伝わらない」

「ほう……」

「……ええっと」

いきなり言われてもね、とわたしは苦笑した。

「まずはわたしがノンフィクションで挑もうとした動機を話そうか」