その瞳に写る頃


「ええと……今回のキャラクターは?」

高本くんは言った。

「どうしようか。とりあえず、わたしは動物は出さないつもりでいる。前回出したから、動物続けてほら、うわあこいつ動物出てくる系しか書けねえのかよ、とか思われても癪だからさ」

「思うかな」と首を傾げる高本くんへ、「わからないじゃない」と返す。

「で、内容にはやってみなきゃわからないでしょう的な意味を込めるんだよね。どうとでも書けそうだけど、どういう感じにする?」

わたしは腕を組んだ。

「無意識のうちに、なにかをできない理由を作っているだけの人物に、もう一人の人物がそれを指摘して、いざやってみたら成功した、みたいな形は?」

「ああ、真っ直ぐに入れる感じ?」

「そう。まあさっきまでの話がまったく仕事しなくなるけど、一切ひねらずに」

「それも全然悪くないと思うけどね」

「よし。じゃあ、次。どんな人物がどんなことをきっかけにどんなことから逃げるようになったか、かな」

「根は強気な人物が過去に自身の負けを認めざるを得ない状況に陥り、以来その特技から逃げる、というのはいかが?」

「おお……。えっ、その特技というのは?」

「ちょっと思いつかなかった。なんでも形になるからこそ難しかった」

「そうか……確かにね。どうせじゃあちょっと小洒落た特技にしようか」

ださい特技というのもわからないけどね、と高本くんは苦笑した。