「夢は大きい方がいいって言ってたじゃない。だからそれくらいがちょうどいいんじゃない?」
でも、と彼は少し不安げな声を挟んだ。
「その夢を叶えることに俺が貢献できるとは思えないんだけど……」
「お主、まだわからないかい?」
わたしは高本くんを見て茶化すように言った。
「高本くんは絵が得意で、実際に相当な画力の持ち主。わたしは、学校でやらされることの中で強いて上げれば作文が一番好きな妄想ガール。この二人がともに制作するものとなれば?」
「……となれば?」
わたしは苦笑した。
「ちょっと失礼ぶっこかせてもらうよ。高本くん、君は馬鹿なのかい?」
「否定はしない。むしろ肯定するよ。だからこそ言う、本当になに?」
「絵本だよ、絵本」
あっ、と彼は小さく声を上げた。
「わたしが文を書き、高本くんが絵を描く。どうだい、最強な作り話ができると思わないかい?」
「作り話という言い方がやたら耳に残るけど……。まあ、美澄さんが文を書けばいい話はできると思う」
ただ、と彼は複雑な声を挟む。
「俺は絵に色を塗れない。絵本にも、色はあるでしょう?」
「芸能人でもドラマでもアニメでも、なんでもいいんだけど。人気が出るものの共通点ってわかる?」
「さっきの絵本がわからなかった人間によくもまあそんな難しいことを」
わたしはふふっと笑った。
「それもそうか」と言うと、「ろくでもないところで認められちゃったよ」と苦笑が返ってきた。



