その瞳に写る頃


ショウゾウの提案で食後のデザートとなった幻のデザート、「おばちゃん特製デザート」は、確かにタケモリの言うような味だった。

何味かと問われても答えることはできないが、非常にうまい。

この不思議な魅力に多くの生徒が夢中になるのだろうと考えた。

わたしとショウゾウも例外ではなかった。


放課後、鞄を持ち、ショウゾウに「一日長かったねえ」と声を掛けられる頃には、第二のおばちゃん特製デザート、高本 秀はすでに教室にはいなかった。

わたしはおばちゃん特製デザートを食べたとき、その不思議な味の虜になった。

そんな自分を感じながら、他にも不思議な魅力を持つものを知っていると思った。

それが高本 秀だった。

ショウゾウは、関わらない方がよさそうだとでも言うように彼氏にはしない方がいいだろうと言っていたが、わたしは彼と友人関係を築きたいと思った。

どうしても気になるのだ。

どうして一人でいることが苦痛でないのかが。