その瞳に写る頃


目を開けると、そばに高本くんの顔があった。

「起きた」と彼は冷静に放つ。

辺りを見渡せば、どれもオレンジ色の光を浴びていた。

「……わたし、寝てた?」

「寝てた」

言いながら、高本くんは隣に座り直した。

「いつから寝てたんだろう……。作り話を考えながらここに座って……。そこまでは覚えてるの」

そこから記憶がないとすれば――と答えに辿り着いたとき、「それからは結構早かったよ」と聞こえてきた。

だよね、とわたしは苦笑する。

「えっ、絵は描き終わった?」

「うん、今しがた片付けを終えたところ。どう起こそうかと思いながら膝をくすぐったら起きてくれた」

「そう……。あっ、絵の写真撮ってもいい?」

「ああ、いいよ」

ちょっと待って、と言うと、彼はすぐにショルダーバッグからスケッチブックを取り出し、ページをめくってこちらへ差し出した。

わたしは礼を言ってそれを受け取り、絵を携帯に残すと再度礼を言って返した。

「では、帰ろうか」

「そうだね」

わたしは頷きながら携帯をポケットへしまった。