その瞳に写る頃


しりとりや連想ゲームをしながら歩いてきた。

混んでいるのは公園の中心に位置する派手な噴水の辺りくらいだった。

わたしたちが目的とするブーゲンビリアが咲いている辺りでは、何人かの散歩する人とすれ違ったり、高本くんが足を止めた場所からはだいぶ離れた位置のベンチにぽつぽつと人の姿が確認できる程度だ。

「どこで描く? このベンチからじゃあちょっと遠くない?」

わたしは言いながら辺りへ視線を走らせ、ベンチに腰を下ろした。

高本くんは小さく唸ったあと、「ちょっと失礼」とわたしの隣に腰を下ろした。

「ここよくない?」

彼は言った。

「ブーゲンビリア主役じゃないの?」

「最初はそのつもりだったけど、完全に気が変わった」

「ふうん?」

「だって海だよ、前……というか下。帰った方にはないものだ」

「確かにそうだね」

家の方にあるのは田んぼや畑くらい、水といえばわたしの通学路の下を通る川くらいだ。

「俺、一度水って描いてみたかったんだあ」

高本くんは楽しそうに言った。

「前に濡れたペットボトル描いてなかった?」

「ああ……そういうのじゃなくて……」

ほら、と言う彼へ、「わかるわかる、海とか川とか、自然のね」と笑い返す。