「百瀬アイネ様、貴方の死にきれぬ魂からの復讐、心よりお待ちしております」

上等だ、必ずや貴様をぶっ殺す――彼女の言葉に片頬での笑みを返した直後、遠くからショウゾウの怒声が聞こえてきた。

「おいレオン、ソウタをぶちのめせ」というものだった。

少ししたあと、「貴様もぶちのめしてやる」と聞こえてきた。

百瀬レオンが、断ったらどうするのだとでも言ったのだろうかと想像した。

水鉄砲を振り、タンク内から完全に水がなくなったのを確認し、わたしは給水へ向かった。

しかしタイミングが悪かったか、すべり台の柱の裏に隠れていた百瀬リンネに腹部を撃たれた。

「くそっ、貴様は百瀬アイネの――」

「お姉ちゃんの敵はわたしが……リンネが討つ」

百瀬リンネは力強く叫ぶと、タンク内のすべての水を使い果たす勢いで水を発射し続けた。

少しの間わたしの腹部を濡らし続けると、彼女はこれからのことを考えたのか、静かに引き金から指を離した。

わたしは空の水鉄砲を百瀬リンネへ向けた。

向こうのタンクにどれだけの水が残っているのかは知らないが、あそこから出てきた水がわたしの腹部を濡らし続けた時間を考えるとそれほどの量は残っていないはずだった。

わたしの向けた水鉄砲に怯んだ様子を見せる辺りに、彼女の水鉄砲に残っている水が非常に少ないことと、こちらの水鉄砲が空であるのを彼女が知らないことを確信した。

わたしはしばらく百瀬リンネへ水鉄砲を向け続けたあと、給水所を目指して走り出した。