「……なんなの、あんた。関係のない小さな子供にそんなやり方……自分で大人気がないとは思わないわけ?」

わたしは片頬で笑った。

「あなたの言う“翔子姉ちゃん”は、戦いが始まる前、血の繋がりも邪魔な情報と見做し、戦いの間は関係ないものとすると言っていたわよね?」

百瀬アイネは上目遣いに睨んできた。

わたしはそれを鼻で笑う。

「ガチ超絶まじ真剣水鉄砲バトル――それが行われ、完全に戦場へと化した今のこの第二公園では、血縁関係、性別、性格、頭脳の程度――すべてが邪魔な情報となっている。

それらは一切考慮しないものとされている」

わたしはさらにふっと笑った。

「あなた様のその若かりしお命、わたくし美澄 さくらがありがたく頂戴いたします」

わたしは低い声で並べたあと、タンクに残っているすべての水を目の前の少女に浴びせた。

傍から見れば幼い子供に容赦なく水を浴びせるわたしが完全なる悪人だろうが、

ガチ超絶まじ真剣水鉄砲バトルに挑む姿勢が変わった今のわたしには、そんなことはどうでもよかった。