半分以上ページをめくった頃、さらにページをめくると、華奢で綺麗な手の甲と、そこに立って上を見る少女が描かれていた。
緩やかな曲線を描く薄い色の長い髪の毛が特徴的なその少女は、淡い色のふんわりとした形のワンピースを着用している。
先程喫茶店で言っていた小人の絵とはこの絵のことだろうかと思った。
愛らしい顔立ちの少女に、思わず頬が緩んだ。
隣のページには、木製の小さな椅子に腰掛け、長い脚を組んで絵を描く短髪の少女が描かれていた。
優しい表情で鉛筆を握る彼女の視線の先には、木製の机の上に置いてあるペンケースに腰掛ける先程の小さな少女がいる。
短髪の少女が抱えるように持つスケッチブックに描かれているウィッグのようなものから、彼女が目の前の少女を描こうとしていることが予想できた。
次のページでは、短髪の少女のものだと思われる先程の華奢な手が、裁縫道具とともに非常に小さな半袖のティーシャツを持っていた。
手の下に描かれている木製の机には、ティーシャツよりも遥かに小さな花があった。
裁縫道具とティーシャツを持つ手の主は、ティーシャツの胸元にでもその花を付けるつもりなのだろうか。
隣のページへ目をやると、同じ手が小さな帽子を持っていた。



