三限目の休み時間に、ショウゾウと二人、今日こそは手に入れると語った。
「起立」との号令に従うわたしの机にすでに教科書はあらず、手の中には一枚の百円玉と二枚の十円玉がある。
今日の四限目は、授業終了のチャイムよりも一瞬早く終わった。
一瞬がどれだけ大きな存在か、この学校の生徒は恐らく、レーサーやランナーと同程度わかっている気がする。
少なくとも、四限目終了時のわたしにとってコンマ一秒は普通の一秒と同価値である。
「ありがとうございました」――。教師にばれない範囲で言い切る前に教室を飛び出した。
しかし、直後に続々と生徒が廊下へ流れ出す。
この瞬間から徐々に、たった今の四限目終了が稼いでくれたコンマ一秒の価値がなくなっていく。
そして購買部ではもはやなんの意味も成さなくなっているのだ。
「いいや、今日という今日こそは――」
わたしは周りの生徒に流されつつ呟いた。
なにがなんでも手に入れるのだ。
タケモリ程度の男に笑わせるなどということは絶対させない。
その方法が、たとえ校則に違反するものであっても、だ。



