その瞳に写る頃


「彼氏がいる人ねえ……。恋愛なんて無縁だからわかんない。ショウゾウはどう思う? ていうかショウゾウは彼氏いたことある?」

「嫌だ、サクゾウったら失礼しちゃう。彼氏がいた、となると少し違うかもしれないけど、告白が成功したことなら二回ほどあるよ。小学校高学年の頃と、中学校二年生の頃」

「へええ」

少々意外な返答がきたもので、わたしは笑いながら言った。

「え、それぞれどんな人に告白したの?」

「小学校の頃は同級生、中学校の頃は先輩。

同級生とは、当時小学生であったせいで関係はまったくと言っていいほど発展せず、

先輩とは、ちょっとそんな感じの仲になったけど、相手が卒業したことを機に自然消滅」

「ふうん……。切ないね」

「そう?」

そうは感じてなかった当時のわたしは馬鹿なのかな、と笑うショウゾウを見て、恋愛もつまらないものではないのかもしれないと思った。

「わたしがショウゾウを見て思っただけなんだけど、恋人がいるのは楽しいんじゃない? やっぱり」

わたしは最後に、「反対にショウゾウはなんでそんな疑問を?」と問うた。

「いやあ、喧嘩なんかになったらめんどくさいんじゃないかなあって思ってさ。恋愛は楽しいだけじゃない、みたいなこと聞くじゃん?」

「なるほどねえ……」

捕まえたり捕まったりする相手にもよるのではないか、と言うと、ショウゾウはそうかもねとあっさり頷いた。