ある日、私は婚約を申し込まれた。
レオンが婚約者なのはうちの方でも大々的に広められているはずだが、それでも私の家の地位がほしいのか、よっぽど自分の家に自信があるのか・・・
この場合は後者だろう。
なんせ、相手は大企業をいくつも束ねるあのネーストリア家の長男、ロキシ・ネーストリアだった。
私は気を取り直して声高く言った。
「これは、これはロキシ殿。あなた様のお家の噂は常々聞いておりますわ。」
「それは、それは光栄でございます。」
「アリス様、こたびは私との婚約を受けてくださいますか?」
「申し訳ありませんが、私にはレオンハルトと言う婚約者がおりますゆえ。」
「それは存じ上げております。だから、こうしてお願い申し上げているのです。あなた様がた、エクリローメル家にとっても、悪くはない話だとは思いますが。」
「ましてや、レオンハルト殿は噂に聞くところとても奇怪な方だとか。決して馬鹿にするわけではございませんが、そんな方にアリス様を任せるのは家紋に傷が付くというものでしょう。」
私は苛立ちを隠しながら言った。
「申し訳ありませんが、この話はなかったことにしていただけますか?レオンハルトのことを粗末になさる方との婚約は考えるに至らないので。」
この時は考えてもいなかった。
この発言があんな事件を引き起こすことになるなんて・・・
レオンが婚約者なのはうちの方でも大々的に広められているはずだが、それでも私の家の地位がほしいのか、よっぽど自分の家に自信があるのか・・・
この場合は後者だろう。
なんせ、相手は大企業をいくつも束ねるあのネーストリア家の長男、ロキシ・ネーストリアだった。
私は気を取り直して声高く言った。
「これは、これはロキシ殿。あなた様のお家の噂は常々聞いておりますわ。」
「それは、それは光栄でございます。」
「アリス様、こたびは私との婚約を受けてくださいますか?」
「申し訳ありませんが、私にはレオンハルトと言う婚約者がおりますゆえ。」
「それは存じ上げております。だから、こうしてお願い申し上げているのです。あなた様がた、エクリローメル家にとっても、悪くはない話だとは思いますが。」
「ましてや、レオンハルト殿は噂に聞くところとても奇怪な方だとか。決して馬鹿にするわけではございませんが、そんな方にアリス様を任せるのは家紋に傷が付くというものでしょう。」
私は苛立ちを隠しながら言った。
「申し訳ありませんが、この話はなかったことにしていただけますか?レオンハルトのことを粗末になさる方との婚約は考えるに至らないので。」
この時は考えてもいなかった。
この発言があんな事件を引き起こすことになるなんて・・・
