「おっ、マジか〜。滅多に出来ねぇからな〜。楽しみだなぁ〜。
まぁ死んでも仕方が無いよな〜。うん、しょうがない。だって休んじゃったんだもん。」
そう言うと三人組は教室の一番後ろの席に移動して、さっきまでの事は無かったように楽しそうに話し始めた。
さっきの騒動は終わったはずなのに、教室内には緊張感が漂い、誰も喋ろうとはしなかった。
殴られたオタク集団は机や椅子を静かに戻していた。
これを見た教室内の生徒は誰も非難の声をあげない。あげられないのだ。
まるで暴漢の王に逆らえない村人のように、全員が身を小さくしている。
一年の頃はこの三人はそれ程大きな問題を起こすような事をしていなかった。学校自体大きく、クラスも多いので三人はバラバラだった。
だが、二年になってから科によって別れるため、三人は一緒のクラスになり、こんな騒動が起き始めた。
そのまま三人組が話すだけで時間は過ぎていき、教室に先生が現れた。
ハゲ気味の太った中年男性、案の定女子生徒からの批判は絶大な先生だ。
先生はいつもより暗い表情で、拳を握り締めているのが見えた。
さっきの騒動に先生の様子で教室内は重々しい雰囲気で満たされた。



