怨返し─赦されない私の罪─


清都は依奈にビンタされ顔を硬直し、ゆっくりと依奈の方を見ると数秒後には怒りで顔を歪ませた。


「....抵抗はしていいけどよぉ〜殴っていいなんて言ってないよなぁ〜?てめぇ....調子乗りすぎじゃねぇのか!!あぁ!!?」


清都は右手を拳に変え、また依奈の鳩尾に拳をめり込ませた。尚且つ、引き抜くどころか更に押して圧迫した。
依奈の酸素は全て外へ出され、またもや呼吸困難に陥った。必死に両手でその右手を引き抜こうとするが、ビクともしなかった。


「ぶっ殺す!ぶっ殺す!!ぶっ殺す!!!ぶっっっっっっ殺ぉぉぉぉぉす!!!」


清都は怒りの声と比例して、圧迫する拳を強くした。依奈は全身だらしなくして、もはや抵抗すら出来なかった。


章....ちゃん....
ごめん....ね....


依奈は薄れ行く意識の中で呟き、涙を零して目を閉じた。
依奈にはもう復讐や憎しみ、怒りは無かった。仕方がない、自業自得、今までの行いが全て返ってきたのだと諦めていた。


ガシャン!!


後ろの方で何か食器のようなものが割れる音がした。依奈の意識はまだ失っていなく、その音も聞き取れたが聞き流していた。
その割れる音は一つのアクシデント、その音のせいで一旦鳩尾の圧迫は外れたが、またすぐに来るという諦め。