「じゃあ...ちょっと冒険がてら行ってみようかな?」
「依奈って意外と度胸ある?まぁ、いいや。私商店街で親戚の人に会うから、じゃあね。明日、学校あったらだけど。」
「うん、じゃあまたね。」
依奈は美苗に言われたことを何度も小さく呟きながら、薄暗い狭い道に入った。
道の中は一言で表現するなら「汚い」の一言に尽きた。道の中は一切手入れの様子もなく、生臭さが漂っていた。
とてもじゃないが、女子生徒が居るべき場所ではない。
依奈は途中まで進み途中で足を止めるが、やはり探求心を抑えられない依奈は鼻を抑えながら足を進める。
「右に左を二回...右に左を二回...あれ?三回だっけ?いや、やっぱ二回だよ....」
ブツブツと呟きながら、捨てられてる生ゴミを股に掛け、足を進める。
依奈は暗示の通り、右、左、右と来た。
「この次を左....で真っ直ぐ?斜め...」
依奈は目の前の十字路を見てそう呟く。もう依奈の心には探求心は無く、さっさとこの臭い道を抜け出したい気持ちでいっぱいだった。
少しでも早く曲がれるように壁際に寄り、十字路の所を左へ曲がった。
その瞬間、依奈は視線を感じすぐに後ろを振り向いた。振り向いても別に変わらない景色、汚くて臭い薄暗い道。だが、視線はまだ感じる。



