「でも、他の人を犠牲にすることは出来ない...嫌なのは他の人も同じことだから....
大丈夫。私が耐えればいいだけの話だから、私にはそれだけの罰が必要だから....」
依奈の言葉を聞いて、佐々木は更に涙を零した。どこか諦めがついたような感じ。元々、ダメ元で来ているようなものだったのだ。
「....そんなの....信用出来ない...」
佐々木はそれだけ言い残すと、依奈の手を無理矢理振りほどいて走って部屋を飛び出した。
依奈は固まっていた。佐々木の言葉が深く食い込み、頭の中でフワッと浮き続けていた。
すると、美苗は自分の携帯を持って立ち上がった。
「....祐子さんを追い掛けるよ。流石に言い過ぎた部分あるし...」
「うん....分かった。」
「あと、依奈にそんな罰必要ないよ。私にはそう見えない。依奈が壊れるの....そんなの私が許さない。これだけは忘れないで?私は...依奈の味方だから。」
そう言い残すと美苗は部屋を出ていった。
一人残された依奈は固まったまま、一人考えていた。
佐々木さん...言葉にするとそうだよね。どうすればいいの?私は別に構わない....章ちゃんを見捨ててしまった時から....
だけど、私を助けてくれようとしてくれてる美苗は?美苗だけはそんな事許しちゃダメだ....



