美苗はそう言ったが、依奈のパジャマは男の子物のおさがり風満載のパジャマ。女子高校生なのにこのパジャマは流石に普通とは言いがたかった。
完全にお世辞だったのは依奈は気が付かなかった。


「それよりどうして来てくれたの?私の家に。しかも突然。」


「いや....まぁ何か元気そうじゃないって感じたのが三割で、残りの七割はカラオケ強制って感じかな?」


「え?なんでカラオケ行きたいの?それに、話がある人って...」


「まぁまぁまぁ!それは後のお楽しみって事で....取り敢えず早く着替えて!カラオケ行くよ!!」


美苗のテンションに押され、依奈はしぶしぶ私服に着替え、二人はカラオケまで足を進める。その道中、美苗は不安を煽るくらいに積極に話しかけて来ていた。
美苗の言動に依奈は察していた。






「よぉし!到着ぅ〜!さぁ楽しんでこぉ!!」


美苗は案の定、高テンションで部屋に入る。
ドアは開いたままだったので、依奈は周りの目を気にしながら入る。
薄暗く、よく声が反響するカラオケボックス。
依奈はこういう場の経験は薄く、興味深そうにキョロキョロした。


「さぁ!歌おう歌おう!!依奈は何の曲歌えるの?」