「み、見てるのは分かってるんだから!どこから見てるの!?警察に連絡するよ!?」


そう警告を言っても視線の気持ち悪さは変わらない。
大きく唾を飲み込み、依奈は少しつづ視線の原因を探っていった。

ベットの下、ぬいぐるみ、勉強机、窓の外、ドアの向こう、天井、タンス

どこを見ても見つからない。原因が見つからないから、きっと気のせいと思うはずなのだが、この見られている感覚が勘違いとは片付けられないほどのものだった。

依奈は壁に穴があるのではないかと、壁を入念にチェック。だが、異常はまたもや見つからない。


「な、なんなの?本当に....一体どこから...」


もう思いつく所がなく、困っていると視界端でピカッと何か一瞬光ったのを依奈は見逃さなかった。
それはタンスと本棚の間の小さい隙間からだった。

依奈は恐る恐るその隙間を覗くと、自分の目の位置と同じくらいの所に白い丸い光の玉があった。


「え?何これ....白い...玉?」


そう思って見つめていると、その白い玉の上の方から一回り黒い球体がゆっくりと下がっていく。
その黒い球体は白い玉の真ん中で止まった。

何かの最先端の隠しカメラだと思って、依奈はその玉を取り出そうと手を出そうとするが、直ぐに辞めた。