するとカーテンレールは大きな音とカーテン、依奈と共に床へ落ちた。元々壊れかけていたし、カーテンレールで人を長時間吊らすことなど出来なかった。
依奈は数秒ぶりの息を吸い込むと、すぐに吐き気が沸き起こり、その場で吐いた。
「うう...ゲホッ!ゲホッ!....わ、私...死ぬ勇気もないの?...なんで....なんで死なせてくれないの?....もう嫌だぁ....」
今の依奈の背中は小学生時代の背中より小さくなっていた。ちょっと押しただけで砕けそうな程、小さくて脆くなっていた。
「....神様は私に何を望んでるの?...もう死なせてよぉ...
......ッ!いった!」
突如頭に針を刺されたような痛みが走った。
さっきの首吊りが原因なのか依奈は分からない。だが、依奈は痛みの原因などすぐにどうでもなった。
痛みが走った瞬間、依奈は冷や汗をかいた。
ジロジロとこちらを見られているような感覚に襲われていたからだ。その視線はねっとりとまとわりつくように...見られていることは分かっているが、大体の方向さえ検討付かない。まるで部屋全体に見られている感覚だった。
「え?何?なんなの?...だ、誰か見てるの?」
依奈はブルブルと震えながら辺りを見回す。だが、大して変わった様子は見られなかった。いつもの自分の部屋だった。



