「美苗ぁ!そこどけ!俺はマジでキレてんだ!これも仕方ないだろ!?そいつが最初に手を出したんだからなぁ!」


美苗はキッと鋭い目付きで清都を見ながら、さらに口を開いた。


「それに!京吾君の許可無しでこんな事やっていいの?京吾君のやり方逆らったら警察の目にも止まるんじゃないの?」


「グッ...」


美苗に反論ができない清都に来希は肩にポンっと手を置いた。


「な、なぁ清都。落ち着けって。美苗の言う通りだ。ここは大人しく引いた方が懸命だ。
これ以上の事になったら、京が何をしでかすか分からんねぇ...俺達も....」


「...クソっ!」


清都は納得出来ないのか、苛立ちを隠しきれずに教室のドアに手をかけた。


「おい!清都!どこ行くんだ?」


「今日はサボりだ!クソっ!めんどくせぇなおい!!」


清都は怒りのままに教室のドアを思いっきり閉めた。来希は面倒くさそうな顔をしながらも、清都の跡を追って教室から出ていく。

教室は静寂になったが、しばらくして固まっていた他の生徒が動き出した。
自分の倒れている机などを直し、朝のHRの準備をする。だが、誰も依奈に話しかけようとはしなかった。