章太の過去を予め知っていた京吾は、訪ねたついでにお菓子などを差し入れていたため、善子はイジメには気が付かなかったのだ。
そして章太が死んでイジメと確信した善子は、イジメていた自分に復讐するために来たのだとすぐに理解した。
「あんた....章太の....」
「私も馬鹿よね....あんた達の行動に気が付かなかったなんて。もう警察には頼らない。私の手であの子の仕返しを。
ふふふ...あんた達をよくここで見掛けるから来てみたら....大当たりね。」
「ま、待って下さい....勘違いです....俺は本当に章太の」
「今更白々しい!もし、本当に友達だったとしてもこうしてるわ。あの子を見殺しにしたからね!
そこの二人!!それ以上近付くようなら、もっと刺すわよ!?」
ゆっくりと近付いていた清都と来希に気が付いた善子は大声で忠告した。
来希は悔しそうに舌打ちした。
「こいつ....背中に目でもあんのか?」
二人は助けに行きたくても行けない状況になり、完璧に善子と京吾の二人の空間が作られた。
京吾は激痛に耐え、吐血しながら弱々しく善子に話しかけた。
「ま、待って下さい....やめてください....お願いします....俺は本当になにもしてない....殺すのだけは....」



