善子さん....章ちゃんの事を守れなくて本当にごめんなさい。善子さんの思いを踏みにじった行為をしちゃった。...今頃章ちゃんと楽しく過ごしていますか?そうだったら、私は本当に嬉しいです。


そしていよいよ章太の墓の前まで来た。依奈は未だにその墓の前に立つと足が止まってしまいそうになるが、一歩一歩踏みしめながら墓へと近づく。


章ちゃん....私は三年たっても相変わらずです...やっぱり章ちゃん以上のいい人なんて正直見つかる気がしない。だけど、頑張るよ私は。結婚出来ないかもしれない、早く死んじゃうかもしれない、だけど章ちゃんにまた会う時は胸を張れる生き方が出来ているように。
章ちゃんの為に、私の為に、私は進むよ。


依奈ゆっくりと目を開け、空を見上げた。
線香の煙が漂いながらも、陽の光で照らされ、どこまでもいきそうな空を依奈は見詰めていた。

それに応えるかのように、空から照らされる陽の光は更に輝いてみせた。