「だよな。だけど、俺だったらすぐ立ち直っちゃうかな〜。だってあんなに可愛い人だぜ?釣り合わないって妥協するわ〜。俺、ちょっとアタックしようかな?」


金髪がヘラヘラしながら言うと、茶髪は首を横へ振った。


「やめとけお前。あいつのこと知らないのか?」


「あ?何だよ?なんかあんの?」


「千澤 依奈。そいつと同じ高校卒業のやつに聞いたんだけどよ、なんでもいじめっ子に反抗したりしてたんだけど、そのいじめっ子が死んじまったんだとよ。
そしたらなんだ?その姿に惚れたとか抜かして何人かに告白されたけど付き合わず、大学にきても告白はされるもののやっぱり付き合わないんだとよ。」


「なんじゃそりゃ。でも、あいつがフリーだから告白してるんだろ?もしかしてレズ?」


「本人は否定してるそうだが、実際どうだかな。もしレズじゃなかったら単に男が苦手か好きな人でもいんじゃねぇの?」


「好きな人の線はないだろ。告白されたのがいつからなのかは知らないけど、一・二年経ってる。あんな美人なのに好きな人と付き合えないのはねぇだろ?
男が苦手なパターンで決定だな。」


男二人はその場から離れて、校舎の方へと戻って行った。
依奈は今の話は全て聞こえており、フッと鼻で笑いながら空を見上げた。