レンガ色で覆われている建物から、二人の男が外へ出た。陽の光が世界を照らし、中庭にある植物や虫が生き生きとしていた。

二人の男はその光を目で遮りながら、中庭を歩いていた。


「いやぁ〜マジで講義クソだるいわ....あんなの人間が理解しようにも無理だって....」


「いや、本当にそれは同感だわ。あんなのもし理解出来たとしても絶対に社会じゃ使わないって。」


「だよな?そんなのは入社した会社でやれってぇんだ。」


金髪の男と茶髪の男はそんな愚痴を垂らしながら大広場へと歩いていく。
ここはマンモス校の大学。至る所に人がいて、出入り口に接している大広場には沢山の人がいる。

友達と話していたり、サークルの勧誘をやっている人、カップルがイチャつく所を見るのは普段通りの日常。

だが、その大広場の隅では普段通りでは見かけることもないのを見つけ、二人は愚痴を吐くのをやめて監視していた。


それは一人の女性に向かって男性が握手を求めながらお辞儀をしていた。男はラフな格好と言ってしまえば収まるが、女性の方は白いロングスカートで黒いシャツ。シンプルだが清楚な印象に金髪は少し見惚れた。
告白なのは一目瞭然。二人の男はニヤニヤしながら気付かれないように近付いた。