顔がトマトのように真っ赤になり、頭からマグマが出そうになるくらい暑くなった。


「あなたの一生懸命章太君を引き留めようと泣いてたのも全部知ってるわよ〜。あんなに必死になっちゃって、羨ましいわ〜。」


「ちょ!そういう事なら事前に説明を」


「いいじゃない。結局思い切って話せたんだし。それにしても、章太君に訂正しなくていいの?いい男じゃなくて....いい女を掴まえるって」


「や、やめてよ!!恥ずかしいじゃん!!もう!!」


依奈が頬を膨らませると、静華はプッと笑いをこぼし、涙を流すくらいに笑った。


「ちょ、何笑ってんの!?」


「だってあなた...頬を膨らませると....本当に梅干しみたいで....あはははは」

「ちょ...もう、やめてよ....プッ....全くもう....」


静華の笑い声につられて依奈も笑った。依奈は心の底から笑った。

章太を見捨ててから冷たく凍ってしまっていた依奈の心は、多くの歳月と苦難によって解けていった、