そしたら僕から憎しみが消えて、怖がらせちゃったちぃちゃんを見守ろうとこの世に残ったんだ。それが今で、これが始まりから終わりまでの全部。最後まで聞いてくれてありがとう。」
章太は深々と頭を下げると、依奈は唇をかみながら、ギュッと拳を作った。
「....私、本当に馬鹿だよね...章ちゃんが私の為にいじめられてたっていうのに無視して....章ちゃんが私を守るって言ってくれたことを軽視してて...章ちゃんがあの時どんな気持ちで言ってくれた言葉なのか知りもしないで....失ってから気付いた。もう...嫌になってくるよ....自分が...」
「それはちぃちゃんのせいじゃない。僕が勝手にちぃちゃんを守る為に行動して、勝手に傷付いて、勝手に恨んだだけ。ちぃちゃんは何も悪くない。意志が弱かった僕のせいなんだ。」
「そんなの絶対に違う!章ちゃんが悪いなんて事は絶対にない!!章ちゃんは私みたいな人間を助けてくれようとしただけだから!」
「それでも、結果的には僕が恨んだから色んな人を傷付けたし、ちぃちゃんも怖がらせてしまった。
だけどねちぃちゃん。自殺してから全部が悪かったってわけじゃないんだよ?
ちぃちゃんは僕を止めようと一生懸命になってくれた。僕はそれを見て本当に嬉しかったんだ。まるで昔のちぃちゃんを見てる気分になって懐かしくなった。」



