静華はお茶を飲んで一息つけると、少し悲しげな顔をして話を進めた。


「章太君はあなたを見守っているような感じがしたの。あなたが章太君が成仏しきれてない事を知ったら、あなたは前に進めないで章太君をどうにかしようと立ち止まると思ったの。
だから、その事を知らずに生きようとするあなたを章太君が陰ながら見守る、そんな関係が一番いいと思ったの。」


「そうだったんだ....そうとも知らずに私...
でも、章ちゃんは私を恨んでたから襲ってきたのに、なんで見守る立場になったの?」


「そんなの本人に聞いてみないと。」


「何よ。自分の胸に聞いてみてっていうの?それとも、背中に向かって?」


「いや....だから本人に。」


依奈はヘラヘラした顔をピタッと停止した。今の言葉が信じられなく、依奈は苦笑いをしながら手を横に振った。


「いやいや何言ってんの静華。章ちゃんはもう復讐しないから現れないんでしょ?会話なんて無理じゃん。冗談やめてよ〜」


「...会話出来るって言ったら、どうする?」


静華はニヤッと笑って依奈に質問をした。依奈は身体の奥底から何かがグッと上がってきて、ブワッと身体中に広がっていくのを感じる。


「え?....もしかして...出来るの?章ちゃんと会話なんて....」


「えぇ。私の身体に章太君を憑依させる。言っちゃえば、私の身体をレンタルしてあげようって話。