怨返し─赦されない私の罪─


依奈は静華を睨み付けるが、静華はやはり動じなかった。ピクリとも体勢も変えなかった。


「あはは!言われてるよ静華ちゃ〜ん。まじウケるんですけど!あはははははは!!
依奈ぁ〜あんたもう薬やってんじゃないの?あはははははははははは!!!」


美苗は拍手しながら涙が出る程大爆笑をしていた。美苗にとってこの二人の仲間割れほど面白い茶番はなかった。

すると、静華はようやく重い頭をゆっくりとあげ、真剣な表情で美苗の方を向いた。


「美苗....依奈はあなたのことを友達と思って、危険だからと思ったからこそ急いでここに来た。」


「うん知ってるよォ〜本当に迷惑な話だよね〜。私は逆に吐き気覚えてんだけどぉ〜。」


「私はね。人の為にここまで頑張れる依奈が好きだし、人間的に尊敬してる。」


「へ〜。でも、そんな尊敬の相手から暴言で酷くな〜い?泣いちゃっていいんだよ?静華ちゃん〜。」


静華は表情を変えず、睨みつけてくる依奈の方を向いた。目線が合い、依奈の鋭い睨みが少し弱まった。


「私は依奈に救われた。母さんが死んでから、私を支えてくれたのはおばあちゃんしかいなかった。だけど、歳が歳だし逆に気を使わなきゃいけなかった。
そんな私の目の前に来てくれたのが依奈だった。頼れて頼られる、そんな夢にまで見た友人関係を築ける人間。